《MUMEI》

ちなみに今、私は自室に戻っていた。

そこには私とハズミしかいない。

「…なあハズミ」

『何?』

「お前にちょっと付き合ってほしい所がある」

『オレに?』

「ああ、お前に」

ハズミは首を傾げた。きっと思い当たるフシが無いせいだろう。

『まあ…良いケド』

「すまんな。次の休日、行きたい所があるんだ。そこにお前も連れて行く」

『うっうん…』


「さて…、今日はもう寝よう」

ここ最近、少し騒がしかったせいか、眠気がある。

布団はすでに敷かれていた。

『今日はあの女の子達は?』

「仕事が片付き次第、来るさ」

電気を薄暗くし、私は布団に潜る。

ケータイを握って。

『ねっねぇ、マカ』

「何だ?」

『あの昨日会ってたシヅキってヤツも、マカと同じなの?』

「シヅキ? 当然だろう。私がこの人格でいる時は、血縁が関わっていると思って良い」

逆を言えば、普通の人間の前ではミナに対する時のような人格で接する。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫