《MUMEI》 「…だがハズミ。お前は彼女達には優しくなかったようだな」 ハズミの笑顔が強張った。 「どんなに自分を誤魔化そうと、お前の女性への嫌悪感は拭えなかったみたいだな。現にお前の持ち主となった彼女達は全員、ラブゲージゼロで死んだ。それはつまり、お前が彼女達に不満を抱いていた証拠だ」 ハズミの顔色が見る見る真っ青になっていく。 「現に私もお前を構うようになってから、ラブゲージには注意してたんだ。だがお前はどんなに機嫌を取っても、50以上は決して上がらなかった」 『まッマカがキライなワケじゃないよ!』 「分かってる。お前が嫌いなのは、女性という存在そのものだ」 『っ!』 「なのにお前は自分を誤魔化し、彼女達どころか私をも欺いた。…その罪、逃げられないことは分かるか?」 『…分かってるよ。オレはウソをつき過ぎた』 ハズミは観念したように、ため息をついた。 『オレを、消す?』 真っ直ぐに見てくるハズミの眼は、今までに見たことがないぐらい澄んでいた。 「…いや、それなんだがな」 『うん』 「お前に選択を与えようと思う」 『選択?』 「ああ。ルカに預けたマミヤにも、同じ選択をさせる。まあどっちを選ぶかは、お前達次第だが」 『…選択の内容は?』 「一つはこのまま消滅。私の力を使わずとも、お前らを成仏させる方法を、セツカが見つけた。痛みも苦しみもなく、解き放たれる」 『うん…』 「そしてもう一つは…」 前へ |次へ |
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