《MUMEI》

一週間後。

ソウマから連絡があり、ルカと駅前で待ち合わせをして、店へ向かった。

ドアを開けると…。

「あっ、いらっしゃい! マカ!」

「いらっしゃい、ルカ」

「お待ちしてましたよ、お二人とも」

店内には…羽澄と真宮、そしてソウマの3人がいた。

「まっ真宮ぁ!」

ルカは感極まり、真宮に抱きついた。

私は肩を竦め、青のエプロンをしている羽澄の元へ行った。

「―お帰り、というべきか?」

「うん。ただいま、マカ」

そう言ってハイタッチ。

「上手くいったようだな」

ソウマに声をかけると、頭を下げてきた。

「次期当主のご命令ですしね」

「セツカはどうした?」

「疲れて眠っていますよ。一週間、ほぼ徹夜でしたから。ああ、あとキシくんもですね」

「そうか」

今回、二人には本当に世話になった。

「でもまだ、信じられないんだよね。…オレ、ちゃんとよみがえったのかな?」

羽澄が手を握ったり、開いたりした。

なので私はぎゅっと羽澄の頬を抓った。

「ひだっ!」

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