《MUMEI》

ーーえ?ーー

『ハ…ク?!』

何時もなら、こんな
時、白は私の手に触
れるのに…

ーー何故、頬?ーー

最近、急に大人びた
顔をする白に少し戸
惑っていると、頬か
ら手が離される。

ほっとする気持ちと
少しだけ寂しい様な
気持ちが交錯した。


『そこのベンチに休
みましょうか?』

白は、大きな木陰に
あるベンチを指差し
手を引いて歩き出す


暫くベンチの背に凭
れて瞼を閉じている
と…額にヒヤリとし
た物が触れた。


『ん…』

瞼を開ければ、濡れ
たハンカチを持つ白
の姿。


『気分はどうですか
?夢視様。』


『うん、ありがとう
白、もう大丈夫だよ
迷惑掛けたね。』

そう言って、心配顔
の白に微笑んだ。

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