《MUMEI》 . ………間一髪、助かった。 わたしはホッとして、つい泣いてしまった。 ぽろぽろと涙をこぼしているわたしに、 次の瞬間、 廉は、信じられないようなことを口にした。 「安心してよ、邪魔しないから」 続けて続けて、とヘラヘラ笑うのだ。 …。 ……。 …………は?? わたしが理解出来ずにいると、廉は鼻歌まじりに自分のかばんを手に持つと、 さっさと教室から出て行こうとした。 ………って!! 「ちょっと待ちなさいよッ!」 わたしは慌てて引き止める。清水君もわたしを組み敷いたまま、ぽかんとしていた。 わたしの声に、廉は面倒臭そうに振り返って、なに?と尋ねる。 ………『なに?』、じゃねーって!! . 前へ |次へ |
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