《MUMEI》 . わたしは廉を睨みつけて叫ぶ。 「この状況見て、助けようとか思わないのかッ!?」 どこからどう見ても、無理やり押さえ付けられて、ブラウスを脱がされているようにしか見えないというのに、 この男ときたらッ!! ………なにが、『邪魔しないから』だ!! 『続けて、続けて』だ!タコ!! 怒りを込めて叫んだのに、廉は眉をひそめて、はぁ?と首を傾げた。 「なんで俺が助けなきゃなんないの?関係ないじゃん。お前がどうなろうが、興味ないし」 そこまで言ってから、せせら笑う。 「それに立場上、スキャンダルはご法度なんで」 じゃ、ファイト!と軽々しく言って、わたしから目を離した。 わたしは呆然とする。 ………なんだ、コイツ。 血も涙もへったくれもない。 . 前へ |次へ |
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