《MUMEI》

ドキンちゃんはバイキンマンに背を向けていた。



彼女は鏡越しにチラリと目を配るも、何事も無かったように化粧を続けている。



他人には見せられない、あられもない姿だったが、バイキンマンの突然の来室を拒む様子もなかった。



――…“眼中に無い”



そんな喩えがあてはまるような冷遇だった。



だが、そんなドキンちゃんの態度にも、何故かバイキンマンの股間は熱く硬度を増していった。



本質的には、この男はマゾなのかもしれない…。



(この、つれない態度が、今夜はヤケにそそりやがる…。)



バイキンマンは心中で呟くと、美しい女体のラインを舐めるように視姦してゆく…。

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