《MUMEI》 愛なんて「マロ〜、じろーたんって可愛いだろう?可愛いよなっ?」 きいさんはマロージャーに無理矢理頷かせる。 そして、耳打ちした。 「……様子見ということで。」 一瞬でマロージャーの気を変わらせるとはどんな魔法のスペルを使ったんだ? 「あ、有り難うございます!ななおっ……!」 二郎、疑問無しか。緊張感が解けてほっとしている。 でも、嬉しそうだからいいか。 「じろー……」 耳の裏を撫でてやる。 俊敏に瞬く睫を見逃さない。 色付いた唇が物欲しげに噛み締められる。 人前じゃなかったらこのままキスしていた。 堪えられるくらい俺も成長したということだ。 前へ |次へ |
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