《MUMEI》

「その相手が18も年上で、こんなヤツでもか?」

「構いません! あっあなたこそ、18も年下の女子高校生相手で良いんですか?」

「俺は構わん。気に入った」

………はい? えっ? 気に入った? 私を?

「どっどこが気に入ったんですか?」

「とりあえず、全部」

とっとりあえず? 全部!?

ぽかーんとしていると、彼はくくくっと笑い出した。

「ヒドイ顔してるぞ? とても女子高校生には見えねぇな」

「なっ!?」

ヒドイのは彼の方だ!

私は袖で顔を隠す。

「―それ、クセなのか?」

ぐいっと腕を捕まれ、顔を出される。

「なっ!?」

「顔も好みだ。和服が似合う女子高校生なんて、今時少ないしな」

ニヤッと笑うなり、いきなりキスしてきた!?

「んっんん〜!」

タバコの匂いと苦味が、口の中に広がる。

はじめて感じる男の唇に、頭の中が真っ白になる。

「ぷはっ」

唇を離されると、一気に咳き込んだ。

「げほっ、ごほっ」

「キスもはじめてか。ますます気に入ったな」

満足そうに私の顎を掴み、真っ直ぐに見つめてくる。

「なっ!?」

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