《MUMEI》 知ってしまうことの結果翌日。 「おっはよー! みんな!」 教室に入るなり、わたしは元気良く声を出した。 けれどクラスの空気が、一気に冷える。 そしてみんなわたしを見て、眼をそらす。 「あっあら?」 誰かに話しかけようとしても、みんなに避けられてしまう。 なっ何で? 「―おはよう」 ウロウロと教室をさまよっていると、後ろから声をかけられた。 「あっ、おはよう! アオイ」 「おはよ、ルナ」 笑顔で朝の挨拶をし合うわたし達を、クラスメートは恐ろしいものでも見るような眼で見ている。 なっ何か空気、悪い? でもそこで、担任が入ってきた。 わたし達は慌てて自分の席に座る。 出席を取っている時、担任は今日の欠席者のことを言った。 二人の欠席者は、昨日イジメを受けていたコ達だった。 欠席の理由は、二人は昨日ケンカして大怪我を負った為、だった。 ―ふぅん。 随分、恐怖支配が浸透しているのね。 予め口裏を合わせるように仕向けたのか。 アオイに視線を向けると、彼はニッコリ微笑んだ。 前へ |次へ |
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