《MUMEI》 . わたしはまたビックリして、ちょっと!と声をあげた。 「なにしてんのよ!」 怒鳴りつけると、廉は欝陶しそうに振り返り、は?と眉をひそめた。 彼を睨みつけながら、わたしは続ける。 「それ、晃があんたにあげたヤツじゃん!なんで捨てるの!?」 わたしの怒鳴り声を聞き、廉は思い出したように、ああ…と曖昧な声をあげ、 仏頂面で答えた。 「いらねぇもん、こんなの。甘いモン、キライだし」 悪びれず言った廉に、わたしは怒りに任せてまくし立てる。 「受け取っておいて、それはないんじゃないの!?だったら最初から断りゃいーじゃん!!」 廉は、わかってねーな…とぼやく。 「断ったら俺の株が落ちるだろ?『【レン】て冷たい』とか言われてさ。クッキーごときに、バカみたいじゃん。だからとりあえず受け取ったの。それだけ」 ………『株が落ちる』? 『クッキーごとき』? 『バカみたいじゃん』? ふ ざ け な い で ?? . 前へ |次へ |
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