《MUMEI》 . 当然のように言った彼に、わたしは、知るかッ!!と怒鳴りつけた。 「せっかく晃が分けてくれたのに!キライでも、ひとつくらい食べなさいよッ!」 ………それに、ここまでわたしに悪態ついといて、株もクソもないだろうがッ!! そこまで言うと、廉は嫌そうな顔をして、冗談よせよ、とわたしの言葉を遮った。 「野郎が作ったモンなんか、気色悪くて食う気もしない」 ………なッ!? キッパリと言い切った廉に、わたしは一瞬、言葉をなくす。 それから腹の底からフツフツと熱いものが込み上げてきて、 わたしは、それを吐き出すように、ふざけんなッ!と叫んだ。 「晃はねぇ、見た目男だけど、心は清らかな乙女なんだからねッ!!バカにしたら許さないわよッ!!」 廉は喧しそうに顔をしかめたあと、 面倒臭そうに、頭をかいた。 「そんなに言うなら、あんたが食ったら?」 そう言って、顎をしゃくるようにしてゴミ箱の中にある袋へ視線を促す。 . 前へ |次へ |
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