《MUMEI》
キレる若者
.

すかさずわたしは首を横に振った。


「それは晃があんたにあげたの!あんたが食べなきゃイミないんだよ!!」


すると今度は廉が、分からないヤツだな…と、ため息まじりに頭を振る。


「俺はあの場でちゃんと受け取ったでしょ。拒絶しないで礼も言った。出来る限りの誠意は見せたの。そのあと、そのクッキーを捨てようがどうしようが、あんたに関係ないだろ?」


ひとりでまくし立てて、クルリと踵を返し、肩越しに振り向くと、


「…安っぽい『オトモダチごっこ』に、俺を巻き込むな。ちょー迷惑」


最後に、ボソッと吐き捨てて、そのまま教室から出て行こうとする。



−−−そのとき、


わたしの中で、なにかがキレた。



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