《MUMEI》

.


気づけば………、



わたしは廉の背中にダッシュで駆け寄り、

床を勢いよく踏み切ってジャンプすると、



その背中に、

見事なドロップキックをお見舞いしていた。



廉は短い悲鳴をあげ、まえのめりで床の上に倒れ込む。わたしも、彼の身体と折り重なるようにして倒れた。

わたしは、まだ状況が把握出来ていない彼に馬乗りになって、彼の身体をひっくり返すと、

襟元をむんずとわしづかみ、


−−−パアァァンッ!


…思い切り、ビンタをかます。



廉は、自分の身に一体なにが起こったのか、よく分からないようだった。

呆然とわたしの顔を見つめてくる彼を睨みつけ、





「いい加減にしろッ!!」





割れんばかりの大声で怒鳴った。


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