《MUMEI》
興味のないこと
.

そんなわたしに、廉はその目に鋭い光を宿し、ギロリと睨んでくる。


「殴ったな…?」


押し殺すような彼の唸り声が聞こえて、わたしはまた廉を見た。


「殴ったけど、なにか?」


のうのうと正直に答える。

彼は、怒りのあまり怖い顔をしていた。

わたしを睨んだまま、ふざけんな!!と、大声で怒鳴る。


「明日、撮影入ってんだぞッ!?腫れが引かなかったらどーしてくれんの!?俺はお前みたいな、テキトーな一般人じゃねぇんだよッ!!」


バカみたいにまくし立てた彼を、冷めた目でじっと見つめて、

わたしは、


「『自業自得』、でしょ?」


と、言ってやった。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫