《MUMEI》
教えられる真実
そんなモヤモヤな日々が過ぎ、一季節が過ぎた頃。

物でイジメられることはあっても、決して対人関係でイジメられることはなかった。

それどころか…。

クラスメート達はわたしを、可哀そうな人を見るような眼で見始めた。

どこか哀れみを帯びた視線を向けられては、心地悪い。

悪意のあるイジメなら分かりやすいんだけど…コレではまるで、わたしの方が悪いことをしている気分になる。

それとは打って変わって、アオイとの関係は深まるばかり。

最近では電話やメールが頻繁だし、二人きりで出掛けることも増えた。

アオイとは一緒にいて楽しいし、明るくなれる。

モヤモヤしている分の、反動だろうなぁ。


でもある日の深夜、仲の良かった女の子から電話がきた。

「もしもし? 久し振りね、どうしたの?」

わたしは明るく言った。

けれど…彼女は電話越しでもヘコんでいるように感じた。

『ルナ…ちゃん。委員長には気を…付けて』

「えっ?」

泣いているんだろうか? 声がかすれている。

「ねっねえ! 少し会えないかな? 家に行くから!」

『でっでも…』

「大丈夫! アオイには絶対に言わないから!」

『…分かった』

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