《MUMEI》

彼女は深く息を吐いた。

「二ヶ月前…。ルナちゃんにイジメの現場を見られたその日の夜に、メールが来て…」

「メール?」

「うん…。委員長から…」

そのメールの内容とは。



@ルナを無視すること。話しかけられても反応しないこと。

Aだけど肉体的なイジメは決してしない。

B精神的ダメージだけ与えること。



「…の3つ?」

「うん」

指折り数えて、わたしはため息をついた。


まっ、ある程度予想は出来ていたことだ。

「でも分からないことがあるの。何でアオイはわたしを気にかけるの?」

「それは…」

彼女は顔を上げて、真っ直ぐにわたしを見た。

そしてため息をつく。

「…やっぱりルナちゃん、にぶいね」

「何で!?」

思わず声が裏返る。

悪意だけならまだしも、こんなワケの分からないイジメなんて、意味がわかんない!

「あたし達もね、最初は不思議だったの。委員長はみんなにあんな命令をしておきながら、自分だけはルナちゃんに構っているから…」

「うっうん…」

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