《MUMEI》

「でもルナちゃんといる時の委員長の表情見て、みんな気付いた」

「何に?」

「委員長が、ルナちゃんに恋してるって」

「………はい?」

何ですと?

「だからイジワルな命令をしたんだって。アレ…イジメじゃなくて、イジワルなんだよ」

「どこがどう違うの?」

「そこは…上手く言えないけど、ルナちゃんを一人占めしたいんじゃないかな?」

「はあ…」

何か…気が抜けてしまう。

「ルナちゃんも満更じゃなさそうだし、二人が幸せなら良いかなって思ってたんだけど…」

「うん」

「やっぱりルナちゃんをイジメてるのって、苦しくて…」

じわっと彼女の目に涙が溢れた。

「あわわ!」

わたしは近くにあったティッシュを取って、慌てて彼女の涙を拭った。

「ルナちゃん…。イジメられててもしっかりしててスゴイなぁって思ったけど、やっぱり間違っているよね?」

「う〜ん。まあね。でも首謀者はアオイなのね? わたしからやめるように言うから…」

「それはダメッ!」

いきなり彼女は叫んだ。

「どっどうして?」

「あっ…!」

彼女はしまったという顔をした。

…? 何か…ちょっと怪しいな。

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