《MUMEI》 明かす真実わたしは次の日の帰り道、アオイを公園に連れてった。 あまり遊具が無くて、子供には不人気。 高い木が植えられているせいか薄暗くて、これまた奥様方にも不評。 …唯一好評なのが、夜をここで過ごす大人達だ。 まあ…詳しくは察してね。 だから夕方の時、聞かれたくない話をするのにはうってつけだった。 「話って何? ルナ」 「うん…。まあ黙ってても良いとは思ってたんだけどね」 わたしは木に寄り掛かり、ため息をついた。 「クラスのコ達の支配者の地位を、引退する気はないの?」 アオイの目が、ぴくっと動いた。 「わたしを手に入れて、満足してくれない? 他のコ達は解放してあげてよ」 「キミを…」 アオイはしばらく黙った。 「…ルナ、それ誰から聞いた?」 「クラスメート。詳しくは言わない」 「ふぅん…。まっ、察しはつくけどね」 そう言って肩を竦めた。 「支配者の地位ってのは、結構気持ち良いもんなんだよ」 「おサルの山の大将も、そういう気分なのね」 アオイの目がつり上がる。 「調子に乗るのも学生の内だけよ。社会に出たら、その自信は必ず打ち砕かれるわ」 「ハッキリ言うね。キミのそういうところ、好きだったんだけどな」 声が固まっていく。 だけどわたしは怯えない。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |