《MUMEI》

『な、何で?』


『ミドリ、暴力はい
けまセーン!女の子
は優しいが一番です
ヨ!』


『ぐぐっ…は、離し
なさいよ、このっ』

掴まれた右手を動か
そうとするが、ビク
ともしない。


そんな翠を笑いなが
ら、耳元に囁く。

『ミドリ、ワタシと
お付き合いシマショ
?』


『え?何で?嫌よ!



『ツレないですネ?
バラしますよ、ミド
リのカワイイ幼馴染
みサンに?』


『なっ…』


『乃里サンでしたっ
け?』


『このっ、卑怯者!



『ハイ、ワタシ、ヒ
キョー者デース!』


翠の睨みにも怯まず
ラインハルト有栖川
は、愉快そうに笑っ
ているだけである。


結局…乃里を引き合
いに出され、不本意
ながら渋々頷くしか
ない翠でした。

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