《MUMEI》
昔の男
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−−−家に帰って、



居間でのんびりくつろぎながら、わたしは晃のクッキーを片手に、ぼんやりテレビを眺めていた。

画面の中では、今流行りのお笑い芸人が微妙なコントをしている。
時折、沸き上がる観客の笑い声を聞いていると、妹の絵麻が、のろのろと居間へやって来た。

妹・【宇佐美 絵麻】は高校1年生。頭が良いので、わたしとは別の、進学校で有名な、私立の女子高へ通っている。
彼女はわたしと違って穏やかで明朗な性格で、友達もたくさんいるみたいだ。

絵麻はわたしを見るなり、意外そうな顔をした。


「お姉ちゃん、帰ってたの?」


尋ねられて、わたしは素直に頷く。対して絵麻は、まだ訝しげだ。小首を傾げて、さらに聞いてくる。


「めずらしくない?今日は、早いじゃん」


その言葉に、今度はわたしが首を傾げた。


「いつもと変わらないでしょ?」



………むしろ、今日は居残りやら、清水君や廉とのイザコザで、帰ったのが遅いっつーのに。



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