《MUMEI》 お前もかッ!?. 絵麻は興味がなかったのか、ふぅん…と一声唸っただけでそれ以上はなにも言わず、ようやくわたしの隣に腰を下ろした。 テーブルの上に放置されたテレビのリモコンを取り上げると、断りもなくチャンネルを変える。瞬時に画面が切り替わり、人気の歌番組が映し出された。 わたしは眉をひそめて、彼女の横顔を睨む。 「勝手に変えないでよ」 文句を言うと、絵麻はこちらを見ることなく、お笑いキライなんだもん、と冷たく答えた。 かくいうわたしも、さほどお笑いに興味がなかったので、そこでさらに言い返すことはしなかった。クッキーを頬張りながら、黙って絵麻と一緒にテレビを眺める。 テレビから、番組司会者のやたらテンション高い声が響いてくる。どうやら、出演するアーティストを紹介しているようだ。 . 前へ |次へ |
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