《MUMEI》 . わたしは顔をしかめてため息をつき、画面の中で爽やかにほほ笑む【レン】を見つめた。 ………そうね。 アイツは、確かにヤバイわ。 違うイミでね!! 司会者は笑顔でインタビューをする。 『今、ノリにノってる皆さんですが、意外にも当番組は初出演☆ということで、是非、今日の意気込みなど聞かせてもらえたら〜』 わざとらしく笑いながら、司会者はマイクを【レン】に差し出した。 【レン】は困ったように笑い、他のメンバーに目配せすると、マイクに顔を近づけた。 『すっごくキンチョーしてます。歌詞、間違えないようにしないと…』 画面の中の【レン】が、爽やかな笑顔を添えて答えれば、 わたしの隣にいる絵麻が、きゃーーーッ!!と喧しい声をあげる。 「かわいい〜ッ!!もっと笑ってェ〜ッ!!」 わたしはうんざりした目を絵麻に向けた。 ………言っとくけどね! コイツは、腹ン中じゃ、あんたみたいなファンのこと、 『テキトーな一般人』て、バカにしてんのよッ!! . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |