《MUMEI》

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わたしは顔をしかめてため息をつき、画面の中で爽やかにほほ笑む【レン】を見つめた。



………そうね。

アイツは、確かにヤバイわ。

違うイミでね!!



司会者は笑顔でインタビューをする。


『今、ノリにノってる皆さんですが、意外にも当番組は初出演☆ということで、是非、今日の意気込みなど聞かせてもらえたら〜』


わざとらしく笑いながら、司会者はマイクを【レン】に差し出した。

【レン】は困ったように笑い、他のメンバーに目配せすると、マイクに顔を近づけた。


『すっごくキンチョーしてます。歌詞、間違えないようにしないと…』


画面の中の【レン】が、爽やかな笑顔を添えて答えれば、

わたしの隣にいる絵麻が、きゃーーーッ!!と喧しい声をあげる。


「かわいい〜ッ!!もっと笑ってェ〜ッ!!」


わたしはうんざりした目を絵麻に向けた。



………言っとくけどね!

コイツは、腹ン中じゃ、あんたみたいなファンのこと、

『テキトーな一般人』て、バカにしてんのよッ!!



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