《MUMEI》

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レスカを先頭に、
三人は一軒の建物に足を踏み入れた


「前は」

レスカは辺りを見渡す

「宿だったんだろうね」



ジンが頷く



「色々と話したい事もあるから、今日はここで休もう?」


カウンターの向こう側で営業スマイルを象ったままの
店主らしき人物を見て


レスカが言った





三人は二階の一番奥の部屋へ入った。



「…ちょうど良く、ベッドが三つだな」

リツが呟く





「はぁ…」

ジンがドサリとベッドに腰掛けた



「疲れた?」

リツが気遣うと




「ごめんね。長いこと歩かせて」

レスカが、しょげた


「いいや、どうせこれからはもっと歩く事になるから」


ジンはリツにも目配せした




「頑張らないとな」

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