《MUMEI》

コレが3ケタに入ると、流石のアタシも悩んできた。

だからうなっていたんだけど…。

「あっあのね! 別にキライじゃないのよ、アンタのことは。でもホラ、近くに居過ぎて家族のようになっているというか、何と言うか…」

…なっ何か落ち込んでる?

彼の周囲に、暗雲が見えるんだけど…。

「あぁ、もう分かったよ。オレもハッキリ言わないのが、悪いかなとは思ってたから」

「うん…」

彼は真っ直ぐにアタシを見つめた。

「好きだよ、お前のこと。小さな頃から、ずっと」

どくんっ!

心臓が高鳴った…せいか。

「ごほっ! ぐほっ! がはっ!」

息が詰まった。

「だっ大丈夫か?」

「うっうん…」

告白されてむせるなんて、情けない…。

ムードの欠片も無い…どころか、女の子としての可愛さが無い。

でも彼は心配そうに、アタシの背中を撫でてくれる。

…何で彼はアタシのことが好きなんだろう?

アタシは冷めた性格をしている。

けれど彼は優しくて、あたたかい人。

イケメンだし、温和な性格もしているから、人気が高い。

だからアタシと一緒にいると、ヘンな眼で見られやすいのに…。

「も、平気だから」

「そうか?」

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