《MUMEI》

げっそりした顔で振り返る。

彼は優しく微笑んでくれてる。

だからアタシは…彼に寄り掛かる。

「おっおい、本当に大丈夫なのか? 保健室、行くか?」

「良いの。ココが1番、安心するんだから」

ぎゅうっと抱き付いて、彼の顔をじっと見つめる。

彼は心得たように、キスをしてくれる。

アタシの求める、あたたかなキスを。

「うん、やっぱり良いわね」

「何がだよ?」

「このあたたかさが、よ。手放す気が、なくなるわ」

そう言って頬にキスをすると、眩しい笑顔がアタシを照らした。

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