《MUMEI》

「なるほど。どうりで普通の女の子じゃないわけだ」

「ええ。でも勘違いしないでね? アオイのことを好きなのは本当。だけどあなたには従えない」

わたしは楽しくて笑った。

何だか愉快で仕方無かった。

アオイのこんな戸惑った表情、知っているのはきっとわたしぐらいなものだ。

「わたしにも420年生きた意地があるからね」

アオイの眼がまん丸になった。

するとボディーガード達が襲い掛かってきた。

突進してきた一人を、わたしは地面を蹴って飛び上がって避けた。

そしてそのまま落下に重力を加え、背中に落ちる。

ごきっ!

「ぐはっ!」

一人は地面にうつ伏せに倒れたまま、動かなくなった。


「まずひとぉり」

二人目は警棒を取り出して、振り下ろしてきた。

軽く横にそれてかわし、その腕を掴み、横に振り投げた。

「そぉれ♪」

「うわあっ」

そのまま二人目は、木に顔から突っ込んで動かなくなった。

三人目はわたしから行った。

近くにいた三人目に走りより、地面を蹴って顎に跳び蹴りをくらわした。

「ふぐっ」

そして空中で体勢を変え、こめかみに横蹴りをくらわせた。

「がっ!」

三人目は横に吹っ飛び、動かなくなる。

四人目と五人目は互いに目線で合図し、わたしに同時に襲い掛かってきた。

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