《MUMEI》

二人とも腰からサバイバルナイフを取り出し、切りかかってくる。

ひょいひょいっとかわし、四人目のナイフの刃を、ピースの指の形で掴んだ。

「なっ…!」

そのまま指を曲げると、四人目の手からナイフの柄が放された。

わたしは指を伸ばして刃を浮かせ、そして柄を持った。

そのまま四人目の懐に入り、腹に肘鉄を入れた。

「ぐはぁ!」

そしてナイフの柄で横っ面を叩くと、四人目の体が横に吹っ飛んだ。

五人目は呆然としているところを、心臓の上目がけて柄を打ち落とした。

「がっ…!」

そのまま五人目は崩れ落ちた。

「ふぅ…。久々だと、体もにぶるなぁ」

ゴキゴキと体を鳴らす。

アオイに視線を向けると、青い顔で言葉を無くしていた。

「―コレで分かったでしょ? わたしが血族の者で、しかも古株だってこと」

「420年…。幹部なのか?」

「まあね。だから満月の日に行われる血族の集会に、遅れるワケにもいかないのよ」

そう言ってランドセルを開けた。

そして例の手帳を取り出す。

「今日は次期当主から、話があるみたいだしね。欠席や遅刻なんてしたら、怒られちゃう」

手帳を開くと、血族の者の写真と名前が書かれている。

そう、この手帳は血族の者の詳しいプロフィールが書かれているファイルみたいなものだ。

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