《MUMEI》

「すまんすまん。だがお前は気付いていたんだろう?
なら終わりだって、予想していたハズだ」

「一季節だけの思い出なんて悲し過ぎるぅ〜」

「思い出というものは、短い方がキレイですよ」

「どこがよ! ぐちゃぐちゃのドロドロで終わったじゃない!」

フォローする気もないのか! この同属は!

「だが終わって正解だったと思うぞ? ヤツらはノドから手が出るぐらい、ウチの血族を欲している。人間の姿・形をしているも、人成らざる力を持つ我等を」

「しかも同属達は美しい者が多いですからね。観賞用にもしたいでしょうし」

「…慰み者ってハッキリ言っていいわよ」

見た目は小学生でも、中身は違う。

これまで一族と血族がぶつかり合ったことは、誰よりも知っている。


「で、どうする?」

「何がよ?」

「学校だ。お前の希望で小学校に通わせているが、これではもうダメだろう? どこに変える?」

…転校すること前提なのね。

確かに相手が一族の者じゃ、分がよろしくない。

それに血族は目立つことを控えなきゃいけない。

でもそれは…アオイとの永久の決別。

わたしはともかく、アオイはきっともう…二度と会いたくないだろうな。

「…しばらく休んでから、実家に引きこもるわ」

「おっ、大人しくしていてくれるか?」

マカの表情と声に、僅かな喜びが浮かんだ。

「嬉しそうね、マカ」

「ああ。…少し血族の間が騒がしくなっているからな。できれば必要以上の騒ぎは起こしてほしくない」

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