《MUMEI》

…最近、血族が表の世で暴れていることが増えた。

よくないことだと、マカは悩んでいた。

「…わたしも気になっていたところなの。だから実家でしばらく調べてみるわ」

同属達が長い沈黙を破り、何かに目覚め始めたことを…知らなければならない。

わたしも同じなんだから。

「ねぇ、マカ。引っ越すまで、あなたの家に泊めてくれない?」

「構わんが…。ルカとケンカでもしたか?」

「しないわよ。ただルカと住んでいることはバレてるからね。ルカにも引っ越すよう、言わなきゃ」

今回はわたしのミスだ。

彼女の安全が完全なところに、引っ越させてやらなきゃ。

「そう言えば、聞いていませんでしたね。ルカさんとルナさんのご関係」


「ソウマには言ってなかったかしら? ルカはわたしの弟の子孫…というか、孫なのよ。だからわたしはルカの大伯母さま」

「ああ、なるほど」

ちなみに弟は40代で成長が止まった。

現在は360歳だ。

でもルカの19歳は本当の年齢。

晩婚だったから、しょーがない。

「ルカには申し訳ないわね。ちゃんとした所を捜さなきゃ」

「ならルカも私の家から通えば良いさ。部屋なら余りまくっているしな」

「それなら安全ね」

次期当主のマカの元なら安全は保障されている。

ほっと胸を撫で下ろすのと同時に、さみしさがわき起こった。

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