《MUMEI》 今まで恋愛経験が無かったワケじゃない。 わたしや、わたしの血族のことを知ってもなお、好きだと言ってくれる人はいた。 でも…必ず先に死んでしまう。 恋をしなくなってから、50年以上間があったこともあった。 …10歳で成長が止まったわたしには、子孫を残すことはできない体だ。 ただ気持ちだけが心に残っていて…。 恋なんてしないと決めていたのに、いつの間にか、アオイのことをこんなにも…! …400歳以上年下の男の子なのに…。 「さて、それじゃあそろそろ集会に行こうか」 「そうですね。―ああ、今夜の月は赤いですね」 わたしは窓から外を見た。 確かに、わたし達の赤眼と同じく、血のように赤く、丸い月が闇夜に浮かんでいた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |