《MUMEI》 衝撃のラストその後は慌ただしかった。 集会を終え、血族のその後についての方向性のこと。 そしてマカの家に引っ越し、学校の…転校手続き。 ケータイにはクラスメートからたくさん着信やメールが届いた。 けれど…返信する気は無かった。 …何より、アオイからの連絡は全く無かったことがショックだった。 まあ、自業自得なんだけどね…。 やがて実家に移動する日が来た。 わたしはバッグに手帳やケータイ、財布を入れて、玄関に向かった。 「ルカはもう行ったのね?」 「ああ、今日は引越しの日だからな。学校が前より近くなったと喜んでいた」 「ふふっ。良かったわ」 血族が経営している女子学生ばかり集めた寮に、引っ越せることになったらしい。 もちろん住人達は全員、血族だ。 安全はバッチリ! 玄関で見送りに来てくれたマカに、わたしは頭を下げた。 「いろいろトラブル起こしてゴメンなさい。そしてありがとう、マカ」 「何てこと無いさ。お前は血族の中じゃ、物分りの良い方だしな」 そう言ってマカは笑った後、ふと表情を曇らせた。 「…しかし、このままで本当に良いのか?」 「良いのよ。それにマカもソウマも言ってたじゃない。あの一族には関わらない方が良いって」 「それはそうだが…」 「大丈夫! 彼は若いんだから、わたしのことなんてすぐに忘れるわよ!」 わたしはわざと明るく振る舞った。 「ああ…。そうだといいな」 「うん。それじゃ、行くね。今までありがと。実家に着いたら連絡するわ」 「分かった」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |