《MUMEI》

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しばらく妹ともみ合っていると、騒ぎに気づいたお母さんが、ダイニングから慌ててやって来た。

リモコンを巡って取っ組み合っている娘たちを見て、呆れた顔をする。


「なにやってんの!?いい年して、二人とも!」


お母さんの怒声に、絵麻は半泣きで、だって〜!!と甘えた声を出す。


「お姉ちゃんが意地悪するんだもんッ!?」


いきなりチクった妹にたまげたわたしは、急いで反論する。


「くだらない番組見たがるからでしょッ!」


わたしの台詞に絵麻はキッと目つきを険しくした。


「くだらなくないもんッ!!【レン】、ステキじゃんッ!?」


聞き捨てならず、わたしは、はぁ??と眉間にシワを寄せる。


「どこがステキなんだよッ??あんなチャラチャラしたバカっぽいヤツ!?」


今度は絵麻が顔をしかめた。


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