《MUMEI》

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「お姉ちゃんの方がよっぽどバカっぽいじゃん!!ていうかマジでバカだよねッ!!」


「あんだとぅ〜ッ!もう一回言ってみなッ!?」


「何度だって言ってやるッ!!バカバカ、大バカのおバカ!!」


「あ゙〜〜〜ッ!!ガチでムカついた!!表出なッ!!」


「望むところよッ!!」


ギャーギャー言い争うわたし達を見て、お母さんはうんざりしたような顔をし、

それから深く息を吸い込むと、


「…いい加減にしなさぁぁぁぁあいッ!!」


渾身の力を振り絞って、おバカな娘たちを怒鳴り付ける声が響き渡ったのだった。





******





「ねぇねぇ!!昨日テレビ見た!?」


「見た見たぁ〜ッ!!」


「『LE FOU』、マジかっこよかったぁ〜!!」


「新曲のバラードも、ちょー良かったよねッ!?」


次の日は、朝からずっと、廉の話で持ち切りだった。

もう昼休みだというのに、クラスの女子たちは飽きもせず昨日の歌番組の話題に興じている。


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