《MUMEI》
ヒトから見た《わたし》
.

わたしの冷ややかな視線に気づき、由紀は、なんだよ?と首を傾げた。


「俺、変なこと言った??」


不思議そうに尋ねた由紀に、わたしはため息をついた。


「あんたの存在自体が変だなと思っただけよ」


感じ悪く答えると、由紀は楽しそうに、良く言われる〜!と笑った。

それから彼は、わたしたちから離れて、自分の席に行きかばんを置くと、すぐに携帯を取り出してメールを打ち始める。心なしか顔がニヤけているので、おおかた、オンナと連絡を取り合っているのだろう。



………懲りないヤツ。

つーか、

由紀のせいで清水君に襲われたっつーのに。



昨日の清水君のことを思い出して、わたしはまた気持ちが沈んだ。



−−−どうせ、羽柴といつもヤってんだろ??



あの言葉は、本心だろう。

由紀は自他ともに認めるヤリチン。
セフレも数え切れないほどいる。


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