《MUMEI》

「大丈夫。

俺がついてるから。」


先輩は優しく微笑むと、
俺の頭を二回叩いた。


この行為、
なんだか妙に落ち着くんだよな。


でも……。


「こ、子供扱いせんといて下さい!」


「えーだって子供じゃん。」


「俺は小学生とはちゃいます!」


「でも中学生だろ?」


言い争いの中でも先輩の、
俺の頭を叩く手は休まることを知らない。


「ちょ…だからやめ!」


俺は無理矢理その手を払い退けた。


すると丁度その時、
見知らぬ声達が先輩の名を読んだ。


「くーらき君!」

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