《MUMEI》 子供とのキス最近、ふと考える。 恋愛の歳の差、どこまでが許されるものなのかしら? …ということを考えるようになったのは、あのコを好きになってしまったからだ。 わたしの実家はケーキ屋と喫茶店を一緒にしたようなお店。 結構人気で、毎日商品は売り切っている。 一人娘であるわたしは、将来店を継ぐ為に、毎日遅くまでお菓子作りを頑張っていた。 そんなある日の夜。 季節メニューを親から任せられ、わたしは必死になっていた。 日付けが変わるぐらいまで、店に残っていた。 …店の裏が実家で良かったと、その時ほど思ったことは無い。 そしてその日も、日付けが変わるギリギリまで店に残ってしまった。 親からいい加減にしろとの電話で、我に返った。 ちょうどハロウィンの季節だったので、カボチャを使ったクッキーを作っていたところだった。 試作品が焼きあがったので、親に試食してもらう為に袋に入れて、慌てて店を飛び出した。 そこで、 どかんっ! と、誰かに激突してしまった。 「ごっゴメンなさい! 急いでて…」 しりもちをついたわたしだったけど、顔を上げて、思わず呆気に取られた。 ぶつかったのは…幼い男の子。 小学校高学年あたりだろうか。 …にしても、キレイな顔をしている。 「いたた…。ううん、僕もちょっと気を抜いていたから」 変声期前の声が、やたらに良く聞こえてしまった。 次へ |
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