《MUMEI》

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【カナちゃん】と呼ばれた彼女は、眉間にシワを寄せてさらに詰め寄る。


「なんでムシすんのッ!?メールも電話もしてるのにッ!!」


いきり立つカナちゃんに、由紀は得意のテキトーさで、ゴメンね、と謝る。


「忙しくてさぁ、ムシしたわけじゃないよ」


「ウソ!!聞いたわよッ!!昨日、他校の女と歩いてたんだって??昨日はわたしも誘ってたじゃん!?」


「それは向こうが先約だったから〜」


「だったらなんでそう言わないのッ!?なんでシカトすんのッ!?わたし、用済みってコト!?」


「だから〜…」


そんな感じで、うだうだ言い争っている。



………なんだ。

犬も食わないような話か。

てか、

カナちゃん、怖すぎ…。



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