《MUMEI》
『誰』の話??
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由紀は眉をひそめて、あのね…とため息まじりに呟く。


「そーいう子ばっかりなの。最初からH目的で、俺に近寄ってくるの。それ以上もそれ以下もないの!」


わかった?と、わたしに念を押してくる。

由紀にとって、取り巻いている女の子たちは、ただのストレスのはけ口に過ぎないのだろう。



………ヘドが出る。



わたしは心の中で毒づいた。
それから由紀の顔を見つめて、感じ悪く笑ってみせる。


「結局そうよね。男って、揃いも揃ってソレばっか。正直、うんざりだわ」


吐き捨てるように言うと、わたしは彼から目を逸らした。これ以上一緒にいたら、怒りで頭が爆発しそうだ。

わたしは深いため息をつき、下駄箱からローファーを取り出した。


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