《MUMEI》 ―――… チッ … チッ … チッ … ジャム食品株式会社の会議室に、時計の秒針の音だけが木霊してゆく――…。 K部長「…………………。」 カレーパンマンは震えたまま押し黙っていた…。 決断も拒絶もできないまま、悪戯に時だけが過ぎてゆく…。 K部長「…もしも………………」 そんな沈黙を打ち破ったのは、カレーパンマンの小さな声だった。 K部長「…もしも………私が断れば…」 だがそこまで言いかけると、続く言葉は生唾と一緒に飲みこまれてしまった。 (私が断れば、どうなさいますか…?) もしもその問いを投げたなら、アンパンマン常務はこう答えるかもしれない…。 “バイキン組の手を借りるまでだ…。” 前へ |次へ |
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