《MUMEI》 その後もリリスに教えられ、オマジナイを続けた。 効果は効き続け、先輩はとうとう少女の名前と顔を覚えてくれた。 姿を見かければ、話しかけてくれるようにまでなった。 でも…相変わらずあの女の子と一緒にいる。 それが悔しかった。 先輩はあの女の子と一緒にいる時、すごく嬉しそうな顔をする。 あんな笑顔、自分には向けてはくれない…。 悲しさはやがて、暗い感情に滲んでいく。 だから少女はリリスに頼んだ。 ライバルを消せるオマジナイを教えて―と。 リリスは最初戸惑っていた。 けれど少女の熱意に負け、とうとうオマジナイを教えてしまった。 まず、その女の子の机を調べる。 そして午前4時44分44秒ちょうどに、願いを呟きながら、机に『4』の数字を指で書く。 それを44日間、1日たりとも休まず続ければ…。 少女は笑顔で、そのオマジナイをやり始めた。 休みの日も、どんな天気の日でも、1日たりとも休まず続けた。 やがて女の子の体に異変が起こった。 青白い顔で、具合の悪そうな顔をしていた。 そんな女の子を、先輩は心配そうに寄り添って、支えていた。 その姿に、少女は嫉妬の気持ちをより強くさせた。 43日目の朝、少女は恐ろしい顔で願いを呟き、『4』の数字を机に書いた。 ―死ね!― 前へ |次へ |
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