《MUMEI》

バルフィーは何だか悲しくなった。
村人たちの視線が冷たかったからではない。

ただ、自分が自信をもって行った公開リンチの反応がイマイチだったからだ。

「おで…おではこんなつもりじゃなかった…んぐゃよぅ」

まともに話せないくらい彼は、バルフィーは

酷く汚い泣き顔を見せた。

「きめーんだよ」

ある村人が言った。

「おめーまじちょーしのりすぎなんだよ」

別の村人が言った。

「かっえーれ、かっえーれ、かっえーれ、かっえーれ!!」

突然湧いて起こる帰れコール。

その波を誰も止められはしない。

「ひぐっ…えぐぅ」

バルフィーはただただ泣くしかなかった。

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