《MUMEI》

ヒーローだった頃の輝かしい思い出や……長年の信頼関係をも一瞬で破壊してしまうであろう、その仕打ちが恐ろしくて、カレーパンマンはそれ以上言葉を続けることが出来なかった。



だが――――…



A常務「どうもしないさ………。


別にバイキン組の仕事に回そうなんて思っちゃいない…。」



アンパンマンは穏やかな口調で、カレーパンマンの懸念を先取りしたかのような答えを返した。



カレーパンマンは、ふと僅かな光脈に照らされたように顔を上げる…。



そこには優しげなアンパンマンの微笑があった。



A常務「たとえキミが断ったとしても誰もキミを責めたりはしない…。


ただ……これだけは肝に命じてくれ…。」



そこまで言いかけると、アンパンマンの微笑みを彩っていた瞳は、突如、氷のような冷たい眼光を放った。

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