《MUMEI》

途端に先輩の肩が激しく揺れた。


そして振り返る。


先輩につられて俺も視線を移動させると、
そこにはフランスチームの人達がいた。


「倉木君ブラジルにいたんだ?」


その中の1人、
金髪で短髪の人が先輩に話しかけた。


「まあな。」


先輩はそれに答えるも、何故だか表情が硬い。


「俺達、倉木君と一緒に練習したかったのになぁ。」


すると隣りの、
栗色の髪を後ろで束ねた奴が口を尖らせた。


周りはその言葉に一斉に笑い出した。


何やろう?


俺はその人達の笑顔に、
ゾクリとするものを感じた。


この人達の笑顔……笑顔やない。


目が怖い。

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