《MUMEI》
デジャヴュ
.


学校を出ても、わたしのイライラはおさまらなかった。

勝手なことを言って、ひとりで同情してきた由紀のことがムカついてしかたなかった。



………なんなの、アイツ。

『過去のこと』って、

言われなくてもわかってるわよ。



心の中で毒づきながら、通学路を歩いていた、


そのとき、


いきなりタクシーが勢いよく、わたしの隣を走り抜け、歩道脇へ滑り込んできた。

キーーーッ!!という喧しいブレーキ音とともに、タクシーが停車する。


わたしはビックリして立ち止まり、


そして、ハタッと思い付く。



………このシュチュエーション、

もしかして。



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