《MUMEI》

カレーパンマンの心は、桐もみ状態で奈落に落ちてゆく――…。




渦を巻くような意識のなかで、自分を囲む様々な人物の顔や声が浮かんでは消えていった。



…妻と娘の幸せそうな笑顔…。



そして表裏一体となって脳裏に浮かんだのは、父親を失った後の嘆き悲しむ顔だった…。



また―――…



同様に自分を慕う部下達の笑い声も耳奥に蘇ると…



やがてその声までもが、生活の礎を失い、絶望に打ちひしがれる声へと変わっていった…。



人一倍、家族を……そして部下を大切にする男は、ただ呆然とその場に立ちすくんだ。



ジャム食品株式会社の社長室に、永遠とも感じられる沈黙が流れてゆく…。





そして――――…

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