《MUMEI》

「なんとかなったろう?」

帰宅したら、乙矢が待ち構えていた。


「お前の差し金か!」

てか、きいさんが来た時点でそれしか考えられないんだけどな!


「宗方さんと人麿さん、兄弟だったんだね。乙矢ありがと。」

じろーと乙矢が無言で向かい合う……俺ときいさんは同じタイミングで間に割り込み。


「来るなら言ってくれればよかったのにぃ。」

きいさんは乙矢をそのまま押し倒しそうだが、乙矢は平然と話しを続けた。


「俺の差し金じゃない、迎えに来ただけだ。
小暮さんから連絡が入って、うちの社長と二郎のマネージャーが兄弟だから上手いこと説得させるようにしてくれって。」

国兄だったんだ……高遠と二郎は事務所が同じだし国兄は高遠のマネージャーだ、二郎のマネージャーの配置も事情も知ってておかしくないだろう。


「え?そんな話だったっけ。マロが俺を探してたんじゃなかったの?」

きいさん、乙矢に情報操作されている。


「そうだ、家にどうやって入ったんだよ?泥棒か?」

乙矢に合鍵は持たせていない。


「僕が入れた。バカオと違ってミマサカは信用出来るし。」

律斗と乙矢って会ってたのか……しかも俺より評価されてるし。


「なんで乙矢と知り合いなんだよ……」

俺より先に知り合ってたなんて悔しいな。


「俺が日本に着いた律人を迎えに行ったから。」

一旦、二郎の実家に律斗を預ける為に乙矢に頼んだらしい。
その後、マロージャーのとこに行ってこの前の一騒動があったという訳だ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫