《MUMEI》

でもわたしの願いは、叶うには時間がかかる時がある。

まあ簡単なのは、すぐに叶うけど。

例えば今夜はお寿司が食べたいと思うと、母はお寿司を取ってくれた。

勉強したところがテストに出れば良いなと思うと、抜き打ち小テストにそこが出る。そして良い点を取る。

他にもクジ運があるし、懸賞も当たりやすい。

…精神的に弱くなった反面、得たものかもしれない。

だけど負の感情には、あまり良い影響を与えてはくれない。

クラスにキライな女子がいた。

病弱体質であるわたしを、「ウソツキ」呼ばわりした。

だから思った。

―いなくなってしまえ。

そう思った時から、体調は悪化した。

だるさは最高潮に達し、わたしは教室内で倒れてしまった。

すぐに病院からは出られたものの、自宅療養で一週間は学校に行けなかった。

そしてようやく学校へ行くと、彼女は教室にいなかった。

理由を友達に聞くと、彼女は家の事情で引っ越したという。

しかし本当の理由は…親が借金取りから逃げる為に、夜逃げしたとか…。

わたしはほっとした。

苦手な人間がいなくなるほど、安堵できることはない。

少々ヒドイ目にわたし自身も合ったが、それでも結果オーライだ。

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