《MUMEI》 神社本殿に向かう道の真ん中に、犬の首は埋めた。 この10年で、数え切れないぐらいの人間に踏まれ続けた犬の首。 おかげで立派な犬神になった。 わたしの命を削りながらも、願いを叶え続けてくれる、忠実なわたしの犬。 わたしだけの、犬。 わたしは犬神に、微笑みかけた。 黒き犬神は、わたしを見て、嬉しそうに尻尾を振った。 ―これからは、ずっと一緒だよ。 そう赤き眼が語っているようだった。 あの人と同じ、赤き眼で。 前へ |
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