《MUMEI》 . スタジオビルの中に入ると、まず受付のところで、ひとりの女の人がわたしたちを出迎えた。 ダークグレーのスーツをパリッと着こなし、長い髪の毛はきれいに夜会巻きにしている。 どこからどうみても、『バリバリ仕事こなしてるキャリアウーマンです!』というオーラを放っていた。 彼女は受付のカウンターまえで、落ち着きなく、ウロウロしていたが、 やって来た廉の姿を見ると、アッ!と声をあげた。 コワイ顔をして、ツカツカとこちらへ近寄ってくる。 ………なんか、怒ってる?? 彼女の剣幕に、わたしはつい廉の背後に身を隠した。 . 前へ |次へ |
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